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これまで進化人類学では、複雑な社会がその理由だと考えてきた。
狩りをしたり、食べものを入手するにも細かい流儀があって、人生の3分の一近くを費やさないと会得できないのだ。
しかし、最近になって異論も出てきた。
いまも原始的な生活を送る社会では、体力や体格が要求される点はともかく、子どももおとなと同等に高度な狩猟技術を発揮しているからだ。
寿命全体が伸びたから、子ども時代もそれに応じて長くなっただけという意見もある。
人間の知性が発達し、効率よく栄養を摂取できるようになると、生殖開始の年齢を先延ばしするのは当然だ。
身体が十分に発達し、社会での足場を固めてからのほうが、生殖が成功する確率は高い。
この説に従えば、ティーンエイジャーたちがなるべく子どもっぽい外見を保とうとすることも理解できる。
長い成長期のあいだは、おとなから大目に見てもらわないといけない。
おとなを脅かす存在だと、将来のライバルと見なされて攻撃を受けるだろう。
ミシガン大学ディアボーン校の人類学者B・Bは、人間が人畜無害な思春期を延長した理由について、独自の説を展開している。
Bによると、これには思春期に見られる急激な成長も深くかかわっていて、そのタイミングが人間を生殖に見境のない生き物にするとともに、種としての繁栄を可能にしたのだという。
つまり人間を人間らしくしているのは、長くて区切りのはっきりした思春期というわけだ。
思春期に起こる激しい変化と言っても、当然のことながら男と女では中身が異なる。
女の子は男の子より早く、8歳ぐらいから各種ホルモンの分泌が盛んになる。
身体にも変化が芽ばえ、陰毛が生えてきて、胸がかすかにふくらんでくる。
それから4年ほどして3~13歳になると、初潮が来て本格的な成熟期に入る。
このころになると外見もおとなっぽくなってくるので、おとなの女は女の子を庇護下に入れ、赤ん坊の育てかたとか、生殖を成功させる秘訣など、必要なことを教える。
しかに、人類は生殖の一大サクセス・ストーリーを地で行っている。
チンパンジーでは、生まれた赤ん坊のうち36パーセントしか育たないのに、人間だと60パーセントという驚異的な数字になる。
「だから地球上は人間だらけなんだ」とBは言う。
男の子はどうかというと、女の子と正反対のパターンをたどる。
身体が急激に成長しはじめるずっと前から、男の子は生殖能力をもっている。
精巣で精子が作られるようになり、最初の夢精を経験するのは平均14~15歳だが、男らしい筋肉がつくのは16~17歳になってからだ。
また、この流行のため船舶解体が主であるかのような船舶解体が広がった。
